カナダ留学を考えるとき、「歴史」は少し遠い話に感じるかもしれません。正直に言うと、留学に行く前に細かい歴史年号を覚える必要はありません。
ただ、「この国がどんな考え方を大切にしてきたのか」を知っているかどうかで、カナダでの人間関係や学校生活の理解度は大きく変わります。このページでは、カナダという国がどのような歴史を経て現在の社会や価値観を形成してきたのかを、留学を検討する方向けに分かりやすく整理しています。
カナダの歴史は「多様性」から始まったわけではない
今のカナダは、多文化・多民族の国として知られています。ただし、最初からそうだったわけではありません。この点を理解しておくことは、とても重要です。
先住民の存在から始まるカナダ
カナダの歴史は、ヨーロッパの人々が来るはるか以前から始まっています。現在「先住民(Indigenous Peoples)」と呼ばれる人々が、この土地で長い時間をかけて社会や文化を築いてきました。
カナダでは今、先住民の歴史や権利を見直す動きが強くなっています。学校教育の中でも、このテーマは非常に重視されています。留学生としてカナダで学ぶと、日本ではあまり触れなかった歴史の話題に自然と向き合うことになるかもしれません。
イギリスとフランスの影響
カナダの歴史を語る上で欠かせないのが、イギリスとフランスの存在です。ヨーロッパからの入植が進む中で、この2つの国が大きな影響を与えました。
その結果、カナダは現在も
- 英語
- フランス語
を公用語とする、少し珍しい国になっています。特にケベック州では、フランス語と独自の文化が今も色濃く残っています。
「一つの国」になるまでの過程
カナダが現在のような国の形になったのは、比較的最近のことです。もともとは複数の地域が集まり、話し合いを重ねながら国としてまとまっていきました。この「話し合いを重ねる」という姿勢は、今のカナダ社会にも強く残っています。
対立よりも調整、
強制よりも合意。
こうした考え方は、学校や地域社会の中でもよく見られます。
移民を受け入れてきた国
カナダは長い間、移民を受け入れることで社会を成長させてきました。理由はさまざまですが、結果として
- 出身国が違う人が共に暮らす
- 完璧な英語でなくても生活できる
- 違いがあることを前提にした社会
が形成されていきました。
これは、留学生にとって大きな安心材料でもあります。一方で、「自分の意見を持つこと」が求められる社会でもあります。
歴史が今の教育に与えている影響
カナダの教育では、
- 正解を一つに決めない
- 意見の違いを尊重する
- 背景を理解しようとする
といった姿勢が重視されます。
これは、異なる文化や価値観が共存してきたカナダの歴史と深くつながっています。
留学中に「なぜこういう授業の進め方なのか」と感じたとき、その背景には歴史があります。
留学生として知っておいてほしいこと
カナダの歴史は、決して「きれいな話」だけではありません。先住民に対する問題や、差別や対立の歴史も存在します。カナダ社会は今も、そうした過去と向き合いながら前に進んでいます。
留学生として大切なのは、すべてを理解しようとすることではなく、知ろうとする姿勢だと思います。
まとめ|歴史を知ると、カナダが少し近くなる
カナダの歴史を知ることで、
- なぜ多文化社会なのか
- なぜ意見の違いを大切にするのか
- なぜ教育の考え方が日本と違うのか
こうした点が、少しずつ見えてきます。
留学生活の中で感じる「違和感」は、成長のきっかけでもあります。その違和感を前向きに捉えるためにも、カナダの歴史を知ることは無駄ではありません。
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